患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

漢方太陽堂の患者さんに、毎月お配りしています。
漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、漢方太陽堂での実際の例を毎月御紹介致します。患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。
(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【後縦靭帯骨化症】と漢方改善例

手術を予定していた後縦靭帯骨化症

(1941年生、女性。No.3204)

後縦靭帯骨化症の手術を予定していた婦人から相談を受けた。頚椎3~4番目の脊柱管が7mmと狭くなっており、右後頭部~首の痺れが強くある。更に左手親指~薬指まで痺れが続いていると訴えられた。

糸練功にて確認したところ、左手親指~薬指の痺れは、知覚神経障害によって増強していると思われる。骨化症は、数箇所の治療点に対しての治療を行うのだが、知覚神経障害への働きを強めて漢方治療を始める事とした。

治療開始から3ヶ月経過。痺れはなかなか改善しない。知覚神経障害への漢薬を切り替えたところ、1ヶ月後から少しずつ改善が始まり出した。

それから暫く順調だったが、半年後、右手にも痺れが出る様になってきた。この患者さんの痺れは、骨化症からの痺れ・筋肉の収縮・自律神経(知覚神経障害)など様々な原因が重なっていた。

その為、寒い季節は骨化症や筋肉の収縮からの痺れ、春先や湿度の高い季節は知覚神経障害からの痺れが順番に出現していた。その都度、漢方薬分量などを調整しながら治療を行った。

大学病院から手術を勧められて丸2年。病院の検査では進行が止まっている。非常に調子が良く快適に過ごせるようになられた。

手術を回避出来たが、後縦靭帯骨化症は原因不明の難病である。自律神経からの体調不良も頻繁にあった為、漢方治療を約6年間継続され終了された。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方改善例」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。