患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談
漢方太陽堂の患者さんに、毎月お配りしています。
漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、漢方太陽堂での実際の例を毎月御紹介致します。患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。
(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)
【緑内障】と漢方改善例
緑内障-左右眼圧が高い
(昭和4年生、女性。No.3762)
眼圧が右17、左16の緑内障女性から相談を受けた。糸練功にて確認した所、経絡病・心包経・陽証0.1合2+釣藤散証と、臓腑病・心経・陽証・半夏白朮天麻湯加川芎白芷証を確認。3種類の漢方薬を差し上げた。
3ヵ月後、眼圧は、右10、左12。
5ヶ月後、眼圧は、右10、左12。
- 気分的に明るくなった
- 食欲が有り何でも美味しく食べられる
- テレビ等を2時間程度連続で見ていても目の疲れが目立って減った
6ヵ月後、眼圧は、左右とも12。
- 以前は顔が浮腫む事が有ったが、最近気にならなくなった
- 今回の漢方薬を飲み始める以前から有った手足の指の関節の腫れが軽くなった(未だ若干残っている)との事
眼圧が低下しただけでなく、漢方治療特有の期待していなかった様々な良い変化が見られたのである。
漢方は元々「病」に対してではなく、その方の「証」に応じて出しており、例えば半夏白朮天麻湯加川芎白芷証は水毒と脾虚のある方に用いられるものであるから、浮腫みなどの水毒トラブルが無くなったのであろうし、血熱を冷ます漢方薬は五志にも血の病にも脳動脈硬化等にも用いられるから、食欲が回復し、元気が出たのであろう。
緑内障-白内障
(昭和2年生、女性。No.1026)
通常、白内障は高度進行を除き漢方薬の服用によって治癒すると考えられるが、手術のほうが早く回復すると思われる。
しかし、緑内障との関係で手術が難しい場合は漢方薬での治療が有効となる。
2003年、緑内障で右目を失明したご婦人から相談を受けた。左目はレーザー手術で視力0.8眼圧12にまで回復した。その時に中等度の白内障もあると言われた。眼科医より、白内障は手術を勧められた。
漢方薬を服用してから2週間位で、太陽が光だけではなく、太陽の本体(丸い部分)がはっきり見えるようになった。また5円玉と50円玉の区別も付くようになってきた。
3ヵ月後の視力検査では左目視力が1.0にまで回復していた。
更に2ヵ月後には今まで見えなかった小さな文字も見えるようになってきた。
1年半後、失明した右目に色が付いて見える。
その5ヵ月後の眼科の検診では、検査の時にはっきりと医師の手が確認出来た。
2年半が過ぎた頃には、右目で指の動きや左手の血管の色が見えるようにまで回復された。裁縫も出来るようになったと仰っていた。
4年経過し、右目が見え出してきた。電灯が、曇り空の中に見えるような感じで見えているとの事。ぐっすり熟睡も出来るようになってきた。
漢方薬を飲んでいると、目が良く見える。体質改善力をつける目的で、現在も漢方薬を服用中である。
最後に
東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方改善例」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。