患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

漢方太陽堂の患者さんに、毎月お配りしています。
漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、漢方太陽堂での実際の例を毎月御紹介致します。患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。
(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【膠原病】と漢方改善例

膠原病-関節痛の女の子

12歳の女児の関節痛の相談を受けた。

元々鼻炎で相談を受けていたが、左右対称性に足の中指・薬指の4ヶ所が赤く腫れ熱を持ち痛くて曲げられないとの事。病院に行ったら当初しもやけか関節痛と言われ、シップのみで治療。痛みが治らない。

臨床検査の結果では抗核抗体の数値が20でリウマチの資質があるとの診断だった。

糸練功にて、左足背外側に「膠原病」の証を捉えた。体質改善に役立つように自己免疫を正常化する薬方を選薬して治療開始。

漢方治療開始から1~2ヵ月後には、糸練功の合数は順調に改善し6合付近まで改善するが、膝の痛みは時折生じていた。

漢方治療開始から1年程で合数10合±まで改善された。抗核抗体の数値は20のままだった。しかし本人は痛みが出る事も殆ど無く順調に改善が見られた。

漢方治療開始から2年程たった時に抗核抗体の数値も±0になり、糸練功の合数も10合±の良い状態を維持していた。

この頃より成長痛も重なり踵や足裏痛の痛みが出る事が度々見られた。踵の痛みからは自己免疫関係の証を確認する。年齢と共に身体も大きくなってきた為、年齢や身体に合う薬量に増やすようにしていった。

漢方治療から9年が経ち体質改善も含めた煎じ薬を飲み、1年以上10合±が続き痛みが消失していため治療終了となった。時間は掛かったが、治療法の無い難病の膠原病が1年ほどで症状が消失し、再発しないまでに改善した事は特記すべきである。

膠原病-多発性筋炎の女性

(昭和3年生、女性。No.2494)

膠原病である多発性筋炎の女性の相談を受けた。女性は15年ほど前より多発性筋炎で悩み、現在病院でプレドニゾロンの内服を受けている。

体重40Kgで痩せ形、眼瞼結膜は白く、口乾が有り、舌診は裂門があり脾虚を呈している。便は兎便で便秘薬を服用している。不眠症も訴え安定剤を服用しているとの事。

糸練功で確認すると、胆の陽証0.5合4+に筋の異常と合致する合数を確認。

筋の緊張をほぐす粉薬2種類を選択。

2ヵ月後、胆の陽証は3合に改善。しかし症状は改善無し。この時、右股関節の痛みを訴えられる。骨粗鬆症の患者さんに多い証を確認する。骨を丈夫にする粉剤を補助にお勧めする。

4ヵ月後、筋炎の症状はやや落ち着きだしている。股関節の痛みも安定してきている。

10ヵ月後、股関節の痛みは消失。筋炎の症状も消え、患者さんがプレドニンの服用量を3/4へ減量された。

11ヵ月後、更にプレドニンの服用量を半分へと減量される。胆の陽証は10合±。股関節の痛みも10合±へ改善。

その後、2ヶ月間漢方薬を服用し廃薬した。

多発性筋炎には○○散での改善例の報告が既にある。糸練功で調べると、○○が作用しているのではと感じる。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方改善例」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。