患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

漢方太陽堂の患者さんに、毎月お配りしています。
漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、漢方太陽堂での実際の例を毎月御紹介致します。患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。
(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【発達障害PTSD(心的外傷後ストレス障害)】と漢方改善例

発達障害PTSD(心的外傷後ストレス障害)-小学校に入学してから癖が出てきた

(2008年生、女性。No.4730)

学校生活の中で、今まで気にする事の無かった行動などを担任の先生から注意を受けた。親から見て、とても心配な事もあり、心療内科を受診した所PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されたとの事。
普段の生活の中でも、心配や不安感が強くなり、物事を拒否する事が多くなる、鉛筆を噛む、消しゴムを引っ掻く等の変化が出てきた。
糸練功で調べると、「膀胱の腑の上気の証」を確認した。
この証は、とても優しい方に多く、優しすぎる為に上手に発散する事が出来ずに、傷ついてしまうタイプの方の証である。
この証の改善に、ストレスに対して強い体質を作りトラウマを解消する煎じ薬を用いた。
漢方治療と同時に日常生活でも沢山外に出て身体を楽しく動かすようお伝えし治療を開始した。
2ヵ月経過した頃には気持ちの面でとても安定してきているような変化が出てきた。集中力が戻り、落ち着いて過ごせる事が増え、今までよりも多くの勉強問題を解く事などが出来るようになっていた。
半年もすると運動も積極的になり、お友達とも楽しく過ごせる時間が増えていた。習い事などの先生とも上手く付き合えている事もあり、とても落ち着いて過ごせていた。
1年と掛からずに「診断される前の状態に戻った」と、ご家族の皆様が喜ばれていた。明るく良く笑い、周りの方にも心を開いている行動が増えている。
漢方薬も頑張って飲まれていたが、ご家族様の支援が難しければ、ここまで順調に改善が進む事は無かった。漢方薬をお飲み頂くのは本人だが、家族が助け合って改善が順調に進む事を改めて実感した。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方改善例」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。