患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

漢方太陽堂の患者さんに、毎月お配りしています。
漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、漢方太陽堂での実際の例を毎月御紹介致します。患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。
(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【不眠症・睡眠障害】と漢方改善例

不眠症と右手の違和感。更に不安感

(昭和47年生、男性。No.4871)

眠れなくなり、眠れないことから不安を感じてしまう男性より不眠症の相談を受けた。

ショックな出来事があり、2ヵ月ぐらい前より寝付きが悪くなってきたとの事。心療内科にて出して頂いた睡眠薬を飲む事で眠れるとの事だった。

糸練功にて確認した所、不眠症(五志の憂)の部分に抑肝散証を、人間の体質的な部分の反応である生体内環境に四逆散の証を確認した。治療は、生体内環境を中心に治療を開始した。

不眠・不安は、東洋学では五志の憂と言われている。「怒、喜、思、悲、恐」の5種の精神状態が乱れる事で起こっているものと考えられる。

治療開始から1ヵ月後、合数の改善は2合まで進み不安の部分は大分取れてきたとの事だった。

治療開始から7ヵ月後、睡眠薬の服用なしで眠れるようになってきたとの事。大分改善が見られて不安もなくなったとの事だった。

治療開始から1年7ヵ月後、不眠の治療が終了して、右手の違和感による治療に切り替えた。右手の違和感では、血栓性の反応とこちらも生体内の反応により治療を開始した。

治療開始から2年6ヵ月後、違和感も大分なくなり改善してきているとの事。治療開始から5年で不眠・不安・右手の違和感に対しての不快感がなくなったとの事で治療終了に至った。

不眠症(睡眠障害)と不安感を訴える男性

(昭和47年生、男性。No.4893)

患者さんからの紹介で、不眠症の男性の相談を受けた。元々はよく眠れる体質だったのだが、数ヶ月前から突然眠れなくなり、不眠に対して強い焦りや不安感がある。家庭の事情による強いストレスがきっかけだった。心療内科にてデパスとマイスリーを処方され服薬中。

眠りの質を高めて不安感を取り除く「血毒+中焦の熱証」を改善する漢方粉薬をお飲み頂く事とした。

漢方薬服用開始から1ヶ月後、眠りはまだ浅いが不安感が随分楽になられた。

然し、2ヶ月経っても眠りの状態に変化なし。日中も悲観的な感情が現れる様になって来た。漢方薬方を「水毒+上焦の熱証」を改善する煎じ薬に切り替えた。

その後、精神症状が随分楽になり、就寝してすぐ眠れるようになって来た。

漢方薬服用開始から半年経過した頃、デパスとマイスリーの服薬を中止された。

途中、右手首の痛みを訴えられ、同時に胸郭出口症候群と思われる反応を捉えた。

併せて治療を行ったところ、4ヶ月後には胸郭出口症候群は、殆ど痛みも無くなった。

胸郭出口症候群は良くなったけれど、右手首の痛みが残っている。血栓様の反応を捉え、血流を改善する治療に移った。

漢方薬服用開始から1年後、不眠症に対する不安感は全く消えていた。眠りの状態も安定し、残る症状は右手首の痛みのみ。

急激な血流改善は出血傾向になり危険である。ゆっくり時間をかけて血流を改善し、最終的には肉体的にも精神的にも強い体質を造る事が出来た。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方改善例」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。